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【英米語学科】『日本代表』の看板を背負うやりがいのある仕事! ~英米語卒業生は今、どこで何をしている? ④

2022.12.05(月)
英米語学科  
「英米語卒業生は今、どこで何をしている?」というタイトルで、英米語学科卒業生が卒業後、どのように社会で活躍しているかシリーズでお伝えします。第4回目は国際規格の原案を作成する団体で
「英米語卒業生は今、どこで何をしている?」というタイトルで、英米語学科卒業生が卒業後、どのように社会で活躍しているかシリーズでお伝えします。第4回目は国際規格の原案を作成する団体で活躍されている松本怜大さんです。
(2006年度卒業/長野県上田東高等学校出身/山田ゼミナール所属)

今現在はどのような仕事をされていますか?会社名や業種、具体的な業務内容を教えてください。

所属組織名は伏せますが、都内の業界団体で、国際規格の作成を先導する仕事(※)をしています。(※工業分野・データ・サービスなどにおける、品質などを判断するときの基準を作成する仕事)

そもそも「団体」といっても、学生の皆さんには馴染みがないかもしれません。簡単にいうと、特定の業種の企業さん達の意見・要望を聞き、共通の利益を取得するお手伝いをする組織です。
国際規格というと、さらに馴染みがありませんよね。規格とは、そこに書かれている手順のとおりにすれば、誰もが同じ方法でモノを製造できたり、モノ造りの過程で必要な試験を行うことができたりする、専門文書のことです。企業は、専門家の間で作成された規格に基づいた製品を作っている、と顧客にアピールすることにより、自分たちの製品の市場価値を高めることができます。その規格が「国際規格」であれば、自社製品を国際市場に流通させることも夢ではありません。
しかし、「国際規格」の作成は簡単ではありません。国際規格は、何か国もの専門家が集まって議論に議論を重ねて作られます。どの専門家も、自分の国で使われている製造方法や試験方法を、国際規格の中に取り入れたいので、議論は白熱します。一方、日本の製造業者や、製品を買う使用者は、自分の意見を主張するために、そうした国際会議に出席する時間がありません。また、出席したとしても、国際的な言語、つまり英語で議論をすることを得意としない方もいます。
『日本代表』の看板を背負うやりがいのある仕事!1初めての国際議長経験 (2014年上海)
『日本代表』の看板を背負うやりがいのある仕事!22020年スイスにて
そこで、我々、団体の出番です。我々は、まず、顧客企業の意見・主張を十分にヒアリングし、何を国際規格に取り入れたいかを調査します。そのうえで、日常業務で忙しい彼らの代わりに、国際会議に出席し、海外の専門家たちと意見を交わし、顧客企業側の意見・主張を理解してもらうことに全力を尽くします。こうした会議には、「日本代表」の看板を背負って出席するため、非常に責任があるのですが、同時にやりがいのある仕事です。海外の専門家相手に、自分の言葉で意見を通した時の達成感は、何物にも代えがたいものがあります。また、任務を達成した暁には、国内の業界の方々からも一目置いてもらえます。
ただ、年がら年中、海外に出張しているわけではありません。日常業務の多くは、海外から届いた文書の読み込み、国内の顧客企業に説明しなければならないですし、十人十色の意見をまとめ上げることもあります。そうした地道な苦労の方が多いですが、彼らの期待を背負って国際会議に出向き、海外の専門家達と意見を交わし、任務を達成する喜びは、何度味わってもよいものです。

英米語学科をご卒業してから現在までの間、現職以外の職歴はありましたか?

現職の前には、技術営業、海外営業、輸入販売業者などで就職しており、様々な業界の知識を得たことは今に役立っています。14年続いた今の仕事に出会えて幸運だったと思います。

現在は英語(その他の外国語)を仕事でどの程度使用していますか? それは口語が多いですか?それともメールや書類などの書き言葉が多いですか?

英語で作成された専門文書を読む機会が一番多いです。毎日ではないですが、頻度は高いと思います。口語は少ないですね。専門用語や業界特有の言い回しが多いです。一方、国際会議に出向いたときは、議場外で、口語で海外の関係者と話すことが多いです。この点に関しては、留学時に色々な方と英語でコミュニケーションをとった経験を活用できていると思います。

大学時代にやってよかったことはありますか? それはどんなことでしたか?

ざっくばらんな話をすると、人を選ばず、いろんな人と遊んだり、一緒に悩んだり、酒を飲んだりしたことですね。一般的な仕事をすると、どうしても多種多様な人間と接することになります。それは苦手なタイプの人も含みます。学生時代に、いろんなタイプの人とできるだけ交流し、楽しい思いも嫌な思いもするのが大事だと思いました。

詳しい話をしますと、留年してでも、単身でアメリカに留学したことは、よかったと思います。向こうでは、面倒見てくれる人もいませんし、いつでも悩みを相談できる人もいませんでした。でも、受けたい授業の先生の研究室に飛び込んで自分の熱意を伝えたり、キャンパスでサッカーやっているところに飛び込み参加したり、仲良くしようと思ったら、人間が英語を話すのは当たり前だと思っている連中に差別されたり。楽しむことも苦労することも、全て自分でたどり着いた経験は、今も自分の財産です。

大学時代にやっておけばよかったことはありますか? それはどんなことでしたか?

もう少し、専門分野以外の勉強を幅広くやっておけばよかったかな、と思いました。自分の興味あることだけにまっしぐらでしたので。特に、もう少しお金の勉強をして、マネーリテラシーをつけておけばよかったです。

英米語学科で勉強したことは今の仕事に役立ちましたか? どのように役立ちましたか。

自信を持って、役立ったといえます!! 在学中は、特にwritingに特化した勉強をしていました。現在、日本としての意見を海外に発信する際に、色々な方に文案の作成を任せてもらっています。
もちろん、英会話の授業や留学中に培ったコミュニケーション能力も大事な財産です。海外に出張した際は、日本としての意見を通さなければならない機会が多々ありますが、在学中の経験がなければ、得られなかった成果もたくさんあると思います。

英米語学科在籍中に印象残ったエピソードはありますか? また、サークルなど楽しかった思い出はありますか?

英米語学科と直接関係あるかはわからないのですが・・・
とあるEU圏の国に旅行に行った際、歴史ある観光名所の近くで親切にも写真を撮ってくれたオジサンがいました。親切な人がいるなあ、と思ったのも束の間、「Fifty!!」と要求されたので50セントを出したら、「No!Bill!!(コインじゃなくて札だ!!)」と一喝され、日本円にして6,000円を旅行初日からとられてしまいました。
6,000円と引き換えに命は無事で、今日も元気に過ごせていますので、いい勉強代でした。
皆さんも単独旅行中は自分以外は信用しないようにしましょう。もちろん、まともな人もいますが。

これから就職活動をする後輩たちに対してアドバイスをください。

皆さんが進む(進みたい)業界に詳しくないといけないのはもちろんですが、もっと大切なことがあります。それは、自分が当たり前に思っていること(自分のこと、自分の知っていること、自分の得意なこと)を、はっきりと大きな声で簡潔に分かりやすく、伝える技能を身につけましょう。人間は、自分の知りたいことを明確に答えてくれる人間に好印象を抱きます。まず、自分が伝えたいことをリストアップし、初めて会った人にも伝わる話し方を練習しましょう。

それと、先に社会に出ている「大人」を余り恐れないことです。たまたま皆さんより先に社会に出ているので、皆さんよりモノも知ってるし、経験も積んでいるので、怖かったりカッコよかったり見えます。しかし、付き合ってみると、その違いだけで、根本的な部分は学生と大差はあまりないのです(自分を基準にしているかもしれませんが)。面接やインターンなどで、初めて会う人に臆する部分があったら、「この人も家ではゴロゴロしたり私と変わらないような趣味に没頭したりしているんだろうなあ」と想像してみると、ラクな気持ちになるでしょう。
『日本代表』の看板を背負うやりがいのある仕事!32016年5月アイスランドでの会議後

現在英米語に在籍している後輩たちやこれから英米語学科に入学を考えている方たちにメッセージください。

​大学は、授業以外の時間の過ごし方が大事です。
英語でも他のことでも、好きなことを見つけたら、とにかく周りを気にせず磨き続ける努力をしてください。「そんなにやってどうするの?」と周りに不思議がられるくらいがちょうどいいです。必ず将来の糧になります。言い換えれば、そんな過ごし方を許されるのが大学生です。ルールを破らず、周りに迷惑をかけず、自分だけの流儀で自分を磨きましょう!!

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