FACULTY OF FOREIGN LANGUAGES
外国語学部NEWS

¡Viva América Latina! ラテンアメリカ留学・在住卒業生の体験談①

2024.09.21(土)
スペイン語学科  
スペイン語学科の卒業生で海外で活躍されている方は大勢います。今回から卒業後のご活躍を紹介していきたいと思います。第1回目の今回は1984年に卒業されたメキシコ在住の原島勝明さんです
スペイン語学科の卒業生で海外で活躍されている方は大勢います。
今回から卒業後のご活躍を紹介していきたいと思います。
第1回目の今回は1984年に卒業されたメキシコ在住の原島勝明さんです。
■スペイン語学科を選んだ理由
入学は1980年で、拓大一高で2年間スペイン語を学んだことがきっかけでした。当初は英語の専攻を希望しておりましたが、当時の恩師である待寺先生に勧められてスペイン語を専攻することになりました。

■留学先での経験
私の世代はスペイン語学科の第5期生であり、現役で御活躍中の増山先生と同級生でした。翌年度から海外留学制度がメキシコ、スペイン、台湾、中国にも拡張された時期で、メキシコへの留学第一期生とて生まれて初めての海外渡航、海外生活を体験しました。そしてこの経験がその後の人生の方向性を決めるものとなりました。
メキシコ留学で学んだことは、地球の裏側であってもそこではやはり同じく人間関係が大事だということです。これは基本中の基本です。また、「言語はツールであり、目的ではない」とよく言われますが、人間関係構築には意思(感情・気持ち)の疎通が不可欠であるということです。この第一歩を飛び越して次のステップに入ったとしても、その深みには差が出てきます。人間関係を築く上で、言語の習得がいかに重要であるかを痛感致しました。拙いスペイン語で一生懸命に意思伝達を行えば、その一生懸命さは評価されるでしょう。しかし、これは観光・短期滞在では許されても、仕事では通用しません。このことから語学を専攻すること(estudiar = study)と学習すること(aprender = learn)の違いをしっかりと認識するに至りました。
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メキシコ在住卒業生の方々
(左から)原島さん、メキシコ現地主事※浜井さん、千賀さん
※現地主事とは本学から留学している学生を現地でお世話する方です。
■現地での仕事と生活
とはいうものの、1991年にメキシコに赴任した当初は、やはり言語の壁に苦戦致しました。メキシコ人同士の独特のフレーズ、言い回し等、会話について行けないことは多々ありました。しかし、これを自分自身への起爆剤とし、場数を重ねていくしかありませんでした。この状況の打開策として、自分からテーマを投げかけて会話の流れに自分も加われるように工夫しました。これにより会話の蚊帳の外となることを避けることもできました。
卒業(1984年)以降ですが、同年鷺宮製作所にて海外営業部門に配属となり、オセアニア地区の担当となりまた。出張ベースでオーストラリアとニュージーランドを主戦場としておりました。その後前述のとおり1991年にメキシコへ赴任し、2023年に定年退職致しました。最後の5年間はメキシコと米国双方の責任者を兼任しておりました。プライベートではメキシコで家庭を築き、退職後はメキシコに居を構えております。
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娘さんの結婚式にて
■後輩へのメッセージ
前段の地域以外にも出張ベースで南米の国々を頻繁に訪問しておりました。繰り返しとなりますが、ラテンアメリカの国々、また、アングロサクソン系の国々であってもやはり人間関係がすべてのベースとなります。そこで意思の疎通は不可欠であり、その最も重要なツールは言語となります。ジョークを言えるくらいのユーモアをもって場を和ませるスキルは海外で生き抜くためには必要となります。是非語学を専攻されるのであれば、これくらいは軽く乗り越えるくらいの気概をもっていただきたいと考えます。
一方、話すことは出来ても、話す内容がないのでは意味がありません。業務関連事項や特定の専門知識は勿論のこと、その他に現地の方々と歓談できる程度の一般常識は持ち合わせていただきたく思います。もっとも、現地のことを詳細に至るまで知っておく必要はありません。詳しいことは現地の人に聞けば良いことです。これはコミュニケーションの一環ともなります。しかしながら、現地の人に日本のことを説明できないことは恥となります。海外においては自分自身が日本の顔(代弁者)となります。これは私が常日頃心に留めていることです。
小難しいことを言いましたが、まず一歩を踏み出し、随時自分の欠けているところを認識し、改善していくことが大事であると考えます。言語は文化の一部であり、これを専攻するということは、その文化の扉を開け、入り込むということです。是非自身の見聞を広め、今までの常識にとらわれない見方、思考を発見してください。これが言語専攻の醍醐味と言えます。一方で、これにより日本を再認識することにも繋がると考えております。