FACULTY OF FOREIGN LANGUAGES
外国語学部NEWS

Serenata bajo rejas de una res(女子寮のバルコニーの下で歌ったセレナーデ)

2023.02.24(金)
留学体験談 教員編  
乗附 勝(スペイン語学科1991年卒業)
サラマンカ大学(スペイン)
1989年8月~1990年6月(11ヶ月)
Serenata bajo rejas de una res (女子寮のバルコニーの下で歌ったセレナーデ)1左が乗附氏

もう30年以上前のことです。僕は拓殖大学の長期研修プログラムで1989年夏にサラマンカ大学に11ヶ月留学しました。

学校ではLa Tuna de factultad de Derecho (サラマンカ大学法学部学生楽団)というバンドに参加しました。
Serenata bajo rejas de una res (女子寮のバルコニーの下で歌ったセレナーデ)2バンドメンバーと
そこの練習はとても厳しく、歌、踊り、パンディリアなどのスペインオリジナル楽器で一人前と認めらなければ、あの中世画家ベラスケスがまとっていたような衣装を身につけることは許されません。Ronda(ロンダ)というのがあって、毎週金曜日夜にサラマンカの街で演奏を行いながら街を練り歩くのですが、衣装のない新入部員の僕らは先輩から仮装しろと言われ、女装したり、看護師の格好をしたり、1月に海水パンツ一丁で歌いながら街を練り歩き、その上、ビール買ってこい、あそこのレストランでチーズもらってこいなどのパシリをさせられます
スペイン的な男くさい上下関係の厳しいクラブで、当時の拓大に少し似ていたかもしれません。先輩メンバーが好きな女の子に告白する時は、バンドのみんなで女子寮のバルコニーの下に行って、セレナーデを歌いました。告白は見事成功。先輩の彼女はお礼にワインと生ハムを縄で縛ってバルコニーの下にいた僕たちバンド仲間にくれました。
結構はずかしい思いをしながらも、帰国間際にアルテルナティーバ(Alternativa)という昇格試験にようやく合格し、一人前の証であるBECA(赤い帯)をもらえたのでした。僕はこれでスペイン人の仲間として認められた気がして、とても嬉しかったのを覚えています。

今僕が、スペインで食品関係の仕事をしているのは、あのバルコニーの下で仲間達と一緒に食べた生ハムと回し飲みしたワイン、それとホームスティ先のホストマザーの作ってくれたハムやオリーブオイルをたっぷり使ったコシードマドリレーニョ(生ハム、腸詰とニンニクとったスープでひよこ豆や野菜を煮込んだもの)のおかげなのかもしれません。
Serenata bajo rejas de una res (女子寮のバルコニーの下で歌ったセレナーデ)3今の仕事仲間と