FACULTY OF FOREIGN LANGUAGES
外国語学部NEWS

我想去足球场(僕はサッカー場に行きたいんだ)

2023.03.07(火)
留学体験談 学生編  
松谷健吾 2年(留学時)
留学先:北京大学(中国)
留学期間:2019年8月(1ヶ月)
二年生の夏休み、北京大学へ短期留学に行った。僕は北京に本拠地を置く北京FCのファンだったので、授業のない週末には必ずスタジアムに行きたいと考えていた。地下鉄とバスを乗り継ぐか、タクシーで行くか迷った結果、僕はタクシーを使うことを決心した。だがこの決心がその日の計画を全て壊すことになった。タクシーを止めて乗るところまではスムーズにいった。乗り込んでから運転手と「日本人?」「是(そうです)」「哪里?(どこまで?)」と中国語で会話を続け「我想去北京的足球场(北京のサッカー場に行きたい)」と言ったが伝わらず、仕方なくマップを見せたところ、運転手は笑顔で頷いてくれた。
我想去足球场1
運転手はとても愛想が良く、観光地の写真などを停車中に見せてくれたりと車内は終始和やかな雰囲気だった。僕も笑顔で頷きながらその場をやり過ごしたが、実はほとんど聞き取れていなかった。乗車してから20分程経った時に車窓からサッカー場らしき建物が見えたが、タクシーはそのまま通り過ぎた。僕は運転手に尋ねようか悩んだが、マップを見せたのでそれを信じようと思った。しかし、到着したのは水族館だった。唖然としている僕に運転手は笑顔で先程の観光地の写真を見せた。僕はどういうことか分からなかったが水族館に入った。水族館は光などを使った演出が多く、美術館のようで結構楽しめた。出口の近くに人だかりがあったので水槽を覗いて見ると、先ほど運転手に見せられたアロワナのような魚が数匹泳いでいた。念のため写真を撮り水族館を出た。これからどうしようかと思っていたら、道路から叫び声とクラクションが聞こえ、振り向くと先程の運転手がいた。僕は水族館に一時間近く滞在していたのでその間ずっと待っていたようだ。僕は、とりあえずアロワナの写真を見せた。すると運転手は笑顔で写真を指差し、車に乗れとジェスチャーで伝えてきた。その後、運転手は来た道とは逆の道を走り、時折外の建物を指さしながら話しかけてきた。運転手は笑顔だったが、自分としてはどこに向かっているのか分らず不安だった。そんな時間が30分ほど続き、ついに僕の行きたかったサッカー場に着いた。サッカー場を一周しグッズショップを見たいから少し時間が欲しいとタクシーの運転手に伝えに行くと、タクシーはそこにはいなかった。その後もあのタクシーが現れることはなかった。僕はグッズショップを見終えた後、徒歩1時間近くかけ何とか北京大学に帰り着いた。その日、交通費だけで1万8千円使った。その後、北京大学の友人に聞くとサッカー場まではタクシーで往復3千円で行けるとのことだった。
今は、行く予定のなかった水族館に行くことができたとポジティブに捉えるように努力している。

我想去足球场2水族館で撮ったアロワナ
我想去足球场3サッカーチームのバス