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2018年10月01日NEWS

米国ラトガーズ大学研究調査報告

  外国語学部英米語学科教授 塩崎智


 2018年度の前半、特別研究休暇をいただき、米国ニュージャージー州立ラトガーズ大学をベースに、1860、70年代の日本人留学生に関する調査と研究を行ってきました。

 ラトガーズ大学は1860,70年代、米国で最も多くの日本人が学んでいたことで知られています。附属のグラマースクール(今の英語学校)を含めると、延べ50人以上が学んでいました。日本史に名前を残すような有名人はいませんが、勝海舟や岩倉具視の息子、九州の大名の子弟などが籍を置いていました。

 当時の米国東部には東洋人はあまりいませんでしたから、人種偏見があってホームステイ先を見つけるのも大変だったようです。しかし、キリスト教会関係者のサポートや教育熱心な教員の指導もあり、多くの学生がその驚異的な成長ぶりで回りの米国人を驚かせました。当時の日本人留学生は、「早く西洋に追いつかないと」という危機感を持って学んでいましたから、かなり猛勉強していたのです。慣れぬ環境(冬の極寒)に適応できなかったり、思うように英語力が伸びなかったりして、病死したり自殺した日本人留学生もいました。彼らの墓が、大学から徒歩15分くらいのところにあります。

 今回の調査では、図書館の司書の方と情報を交換し、多くの資料を入手することができました。その成果を順次論文の形で発表していきたいと思っています。

 さて、自分の研究以外で印象に残ったことをいくつか報告したいと思います。
 まず、大学生の図書館の利用の仕方です。ちょうど試験期間だったこともあり、大変賑わっていたのですが、飲食物(特にスナック)持ち込み放題という感じで、まるでカフェで勉強しているように見えました。少々本が汚れても気にしないお国柄なのでしょう。

 大学教員の働き方にも驚きました。ある教授は週に2回くらいしか授業をしていません。その代わり、ボランテイア教師として毎週数時間、少年院や刑務所で授業をしているそうです。受刑者が服役しながら大学の単位が取れるのだそうです。これも人権を重視したお国柄ですね。

 それから「学食」のメニューの値段の高さ! 米国はインフレということもありますが、500円ではほとんどまともな物は食べられません。日本の大学生は、バラエティと値段でとても恵まれていると思いました。

 大学、研究以外にも、今回の米国滞在でいろいろなことを経験しました。また機会があれば報告したいと思います。

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1766年創立をしのばせるキャンパス

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大学のマスコットは「スカーレット・ナイト」(緋色の騎士)

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日本人留学生の墓碑

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