FACULTY OF FOREIGN LANGUAGES
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阿部沙織 ゼミ

中国語圏の近現代文学研究

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ゼミナールの目的・内容

ゼミナールの目的・内容
1. 中国語圏の文化と社会への理解を深める
2. 実用に耐える中国語力を身に着ける
3. 卒業論文/卒業研究の完成に必要な力を身に着ける
以上の目的を達成するため、具体的には以下のような内容でゼミナールの授業を進めています。

1. 担当教員が中国近現代文学を専門としているため、本ゼミナールでは中国語で書かれた近現代の文芸作品の精読を通して、中国語圏の文化や歴史、社会について学んでいきます。それは同時に、日本・八王子で学ぶ私たちの「いま・ここ」との差異や共通点を認識するプロセスとなり、自分の属する社会、自分自身の人生を見つめなおす契機にもなるはずです。得られた学びが、中国語圏の人々と協働する際に役立つ知識となるだけでなく、生きる上での知恵や精神的支えとなるよう、教員はゼミ生と丁寧に文芸作品に向き合いたいと思っています。

2. 中国近現代文学の作品を日本語に翻訳する演習を通して、中国語力のさらなる向上も図ります。
担当教員は在北京の中国企業での就労経験のほか、中国経済ニュースの翻訳・配信業務に5年従事していた経験があり、ゼミ生には具体的な翻訳の方法を指導し、実用レベルの翻訳力の育成と定着を図ります。

3. 卒業論文/卒業研究の完成に向けて、3年次から文献収集の方法等、基礎的な研究の進め方を徐々に学んでいきます。3年次には上記の文芸作品講読や翻訳演習のほか、興味を持った論文・書籍を見つけ、レビューする機会をゼミ生一人ひとりが持ち、それに対してゼミ生間で意見交換する中で自分のテーマを絞り込んでいきます。4年次はスケジュールに沿って論文を作成します。設定したテーマについて仮説や主張を立て、それを立証していくプロセスを学び実践することは、将来の仕事の中で論理的思考を求められるときにも必ず役立ちます。また、大学時に1年をかけて取り組んだテーマは、その後の人生の中で折々に示唆を与えてくれるはずです。

2024年度のゼミの様子
2024年現在、阿部ゼミナールの在籍者はたまたま3年、4年とも全員が女子学生です。担当教員の興味がフェミニズム・ジェンダー批評にあることから、中国近代の女性が封建社会の抑圧を受けながら、そこから抜け出し新たな生き方を模索しようと書いた小説を対象とし、参考資料も参照しながら女性作者の声や思いを読み解き、一部は翻訳もおこないました。そこには現代日本で生活する私たちにも共感できる声があふれていて、では、私たちはどう生きるのか?という問いに結びついていきます。
難しく聞こえるかもしれませんが、実際の授業では、なぜここはこんな表現が使われているのか?なぜ主人公はこんなことを思ったのか/したのか?等みんなでワイワイ楽しく話し合いながら考えを深めています。

翻訳実績
2023年度は以下の二作品を翻訳しました。
・凌叔華「赤い服を着た男」(原題:Red-coat man 1952.《穿紅衣服的人》1991)
・魯敏「夕暮れに踊る熊」(原題:《暮色与跳舞熊》2022)
そのうち「赤い服を着た男」が拓殖大学中国語学科「翻訳研究会」編『異文化交流:言語・文化・歴史・ビジネス』13号(2024.2)に掲載されました。

卒業論文/卒業研究タイトル例
現時点(2024年4月)での4年生の卒業論文/卒業研究テーマは以下のとおりです。
・中国におけるキラキラネームの研究:データからその起源と発展をさぐる
・中国の幼児番組研究:「いないいないばあっ!」のアダプテーションを中心に
・絵本による児童教育の日中比較研究
・中国料理研究
・電子決済システムの日中比較研究
このように、様々なテーマが設定されています。ゼミ生は3年次の学びをとおして、主体的に興味・関心を深め、テーマを設定していきます。教員はゼミ生との対話を通して、テーマを展開する上で用いる方法や、研究対象の範囲、関連文献についてアドバイスを加える形でお手伝いをしていきます。その際、基本的なITスキル、(電子)文書作成のルールやヒントなど社会人となった時に必要となる技能もしっかり伝えることを意識しています。

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3年ゼミの様子
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4年ゼミの様子

2023年に立ち上がったばかりの新しいゼミナールです。
中国語圏の文学=「おはなし」を通して、中国語を磨き、中国語圏の文化により近づきたい!
そんな皆さんをお待ちしています!
歓迎加入!