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2016年11月21日英米語学科

フィリピンの「東大」で1年間交換留学ー英米語学科生のチャレンジ

英米語学科4年笠原豊君インタビュー(聞き手、文 英米語学科4年 伊藤歌穂)

拓殖大学には短期留学、長期留学に加え交換留学プログラムがある。

留学先の大学で現地の学生と一緒に1年間授業を受ける語学留学ではない留学だ。
英米語学科4年の笠原豊君は昨年、フィリピンのケソン市にあるフィリピン大学ディリマン校で約11か月間学んだ。

フィリピンの東大?で経済学を学ぶ

交換留学は半年から1年間の長期間で、現地の大学生と同じ授業を受ける。笠原君は経済学を学びたくてフィリピン交換留学に参加した。
「フィリピン大学はフィリピンのトップ大学で、東大とほとんど変わらないくらいです。フィリピンの銀行のトップである中央銀行などの職歴のある教授から教われるし、アジア開発銀行と共同研究などを行っているので、自分の将来の幅を広げたいと思い、参加しました」。 経済に興味を持ったのは大学2年生の時。
「ディベートの活動の中で、不平等な世の中をどうすれば平等にできるかということが、試合の勝敗を左右する重要な争点だということに気づき、人間の幸せを目標とする経済を学びたいと思うようになりました」。
授業は、政府の財政・金融政策や、個人が何をいくらで買いたいかをグラフなどで傾向を見る「マクロ・ミクロ経済」、物を売るために価格をいくらにするか、広告宣伝や研究開発にいくら費やすかを分析する「企業経済」を履修した。
さらに、社会学も履修し、基礎概念を学び、南シナ海などの社会問題をフィリピンの立場から学んだ。
フィリピン大学では在校生を優先するという制度があるため、交換留学生は履修できる科目に制限がかかり、希望する科目を取ることができないこともある。
クラスの人数は15~20人の少人数から、100人くらい。留学生はほとんどいなく、笠原君だけという授業もあった。
「留学生のための授業ではないので、授業は基本英語。フィールドワークなどで街の人にインタビューするときはタガログ語だったので、言語も精神も相当鍛えられました」。

フィリピンの生活

交換留学では、ホームステイか大学の寮か自分で選択できる。寮には日本人、韓国人の留学生が多いという理由で、笠原君はホームステイを選んだ。
「ホストファミリーは年配の方で、フィリピンの歴史や独裁政治をもたらしたマルコス大統領の話など教えてくれました。また、自分がいたときに大統領選挙があったのでその話もホストとすることができ、とても勉強になりました」。
場所は首都マニラにあるマンダルヨン市。ショッピングセンターなどがあり、東京にあるようなものと同じ品質のものがそろえられる。 交通量が多く、隣のケソン市にある大学へはタクシーかバスで通っていたが、2,3時間かかるときもあった。道路が比較的すいている時間を狙うと、1時間ほどで行けるようになった。
また、笠原君はフィリピンに来てから1ヶ月くらいの時、通学路の大きな交差点で大規模なデモに遭遇した。
「イグレシア教会という団体が主催した、Separation of the Church and State(政府が教会に関与しない)という法を守るためのデモで、渋谷のスクランブル交差点くらいのところを占拠し、2~3日、礼拝をしていました。周りのお店は閉まるし、暴動にもなって、通学が大変でした」。

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大学でのランタン・パレードの様子

サークル・英語ディベート部

休日は勉強のほかに、University of the Philippines Debate Society(通称UPDS)という大学の英語ディベート部に参加していた。 フィリピン大学のディベート部はフィリピンで初めてディベートを行った歴史ある部活動だ。
「日本の英語ディベート部と違うところは、現地の小中高生にディベートを教えたり、読み書きのできない子供たちにディベートを通して物事の考え方を教えることができることです。また、審査員として大会の運営もします」。
このような活動をするには、ディベートの知識はもちろん、社会問題や経済の知識が欠かせない。入部するために、ディベート実技試験や知識をはかる筆記試験などで合格しなければならない。 かなり難関で、200人中11人ほどしか受からない。笠原君は見事に試験に合格した。さらに、フィリピンの全国大会にも出場した。

「大会中のあるディベートで自分の個人スコアが最下位の時があって、それが悔しかった。それでも、全体で100位中16位に入ることが出来たし、先輩たちにもほめてもらって、印象深い大会になった」。

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ディベートの大会にて(笠原さん:2列目右端)

留学を通して得られたもの―論理的思考力、ポジティブさ―

フィリピンの授業は、日本の受け身の授業とは違い、課題やグループワークなどで論理的に考えられる環境が整っている。その中で論理的思考力を向上するために笠原君なりに基本的なことを積み重ねていった。

「物事に対して、何故そうなのかと自問自答するということを毎日心がけました。ディベート部に所属したということもありますが、友人などからも刺激を受ける環境にいたおかげでもあると思います」。
笠原君は自分のことを留学に行くまでは「ネガティブなところが強い」と感じていたそうだ。しかし、フィリピンでの生活を通して、ポジティブな考え方ができるようになった。
「フィリピンは決して経済的に豊かな国ではないけど、多くの方々が幸せそうに過ごしている。決して自分に負けず、将来への希望や夢を抱き、毎日過ごしているということを感じた。それを見習って、落ち込むことがあっても、分析をし、どうすべきか考えるようになりました。すると、不安や悲しみは目標を実現できないことから感じていただけだということに気づくことができました」。

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マヨン山にてディベート部の友人と。(笠原さん:真ん中)
掲載日:2016年11月21日

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